1.オフィスプロジェクトはなぜ難しいのか
まず前提として、オフィスプロジェクトは非常に難易度の高い取り組みです。
その理由は大きく3つあります。
① 正解がない
オフィスには「これが正解」という形がありません。
企業ごとに
・働き方
・組織
・目的
が違うため、最適解もすべて異なります。
② 関係者が多い
オフィスづくりには、
・経営層
・現場社員
・総務
・設計者
・施工会社
など、多くの人が関わります。そのため、意見が分かれやすく、意思決定が複雑になります。
③ 専門領域が多い
オフィスは、
・設計
・デザイン
・設備機能
・コスト
など、複数の専門領域が絡みます。
一部だけ最適でも、全体としては機能しないことが多いのです。
2.失敗の本質は「ズレ」である
では、こうしたプロジェクトが失敗する理由は何か。
結論はシンプルです。
すべての失敗は「ズレ」から生まれます。
オフィスプロジェクトには
・目的
・設計
・意思決定
という3つの軸があります。
このどれかがズレると、必ず問題が起きます。
3.ズレ① 目的のズレ
最初に起きるのが「目的のズレ」です。
例えば、
・経営は「採用強化」を目的にしている
・現場は「働きやすさ」を求めている
このように認識がズレていると、設計の方向性が定まりません。
その結果、
・何を優先するのか分からない
・意思決定がブレる
という状態になります。
4.ズレ② 設計のズレ
次に起きるのが「設計のズレ」です。
これは、
・働き方と空間が一致していない
・必要な機能が整理されていない
状態です。
例えば、
・集中作業が多いのにオープンすぎる
・会議が多いのに部屋が足りない
といったケースです。
このズレがあると、空間は“存在するだけ”で機能しません。
5.ズレ③ 意思決定のズレ
プロジェクトが迷走する最大の原因が、この「意思決定のズレ」です。
・誰が最終判断をするのか曖昧
・判断基準が決まっていない
こうした状態では、
・決定が遅れる
・途中で方針が変わる
といった問題が起きます。結果として、一貫性のないオフィスになります。
6.ズレ④ コストのズレ
コストもまた、ズレが生まれやすいポイントです。
よくあるのが、
・やりたいことが先行する
・予算は後から考える
というケースです。
この状態では、
・途中で仕様を削る
・重要な部分が妥協される
ことになります。
つまり、コストではなく優先順位の問題です。
7.ズレ⑤ スケジュールのズレ
最後に見落とされがちなのが、スケジュールのズレです。
・検討期間が短い
・意思決定が遅い
こうした状態になると、
・突貫で進める
・検討不足のまま決定する
ことになります。結果として、“とりあえず形にしたオフィス”になります。
8.失敗しないための考え方:プロジェクトを“構造”で設計する
・運用
すべてがつながっています。一部だけを最適化すると、全体としては機能しなくなります。
つまり、部分ではなく全体を設計することが必要です。
9.まとめ:オフィスの失敗は“空間”ではなく“プロジェクト”で起きている
